自民党「新憲法草案」に抗議する記者会見
自民党「新憲法草案」に抗議
「九条の会・石川ネット」は、自民党が平和憲法を全面的に否定した「新憲法草案」を発表したその日に、抗議する記者会見をおこないました。記者会見には、朝日、毎日、北陸中日、北国、読売、時事、さらに北陸朝日放送が詰めかけ、熱気あふれるなかで、「石川ネット」の呼びかけ人や七尾、小松、加賀の「九条の会」の代表が改憲反対の思いを訴えました。
まず、「石川ネット」呼びかけ人の岩淵正明弁護士が「新憲法草案」の問題点を述べました。第一に、「戦力不保持」「交戦権の否認」を謳った九条二項を全面削除し、「自衛軍を保持する」と明記したこと。第二に、この「自衛軍」の「自衛」には「個別的自衛権」のみならず「集団的自衛権」も含まれるとされており、「集団的自衛権」を保持し、行使することを認めていること。第三に、「自衛軍」の活動として「国際的に協調しておこなわれる活動」という規定を明記したこと、以上の三点を指摘しました。そして、現行憲法では禁じられている「集団的自衛権の行使」「自衛隊の海外派兵」を全面的に認めているのが「新憲法草案」であり、自民党は日本を世界のどこへでもアメリカ軍と一緒に出かけ「戦争のできる国」にしようとしていると抗議しました。自民党の草案では「徴兵制」が明記されていないだけで、戦争遂行体制づくりをすべて憲法上容認するというものであると警鐘を鳴らし、岩淵さんは発言を終えました。
次に、呼びかけ人の莇昭三さん(やすらぎ会理事・医師)が、「かつての十五年戦争冒頭と同じ雰囲気をひしひしと感じる」「今は戦争前夜の状況ではないか」と危機感に満ちて訴えました。
「九条の会・七尾」の高瀬さんは、「『九条を守ろう』という思いをぜひ能登にも広めたい」という趣旨で十月一日に「会」を発足したこと、発足集会では「私たちが子どもたちの未来に残してあげられるのは平和しかない」「もう時間がない。自分たちが講師となって、会に誘っていこう」という熱い決意を述べる発言もあったこと、そして、「輪島にも『会』を立ちあげようという声もある」ことを、気持ちを込めて紹介しました。
「加賀江沼九条の会」の西山さんは、「『一人殺せば人殺し、百人殺せば英雄』という言葉がありますが、戦争の名において人殺しをすることは絶対に許せない」と戦争を認める新憲法草案に毅然と抗議しました。そして、加賀では、会員が力を合わせて「九条守れ」の署名を集め、さらに看板を立てたりしていることを報告しました。
「九条の会 小松」の辰巳さんは、小松で八月二十一日に「会」を発足したこと、十月九日には川本弁護士を講師に迎えて自民党の「新憲法草案要綱」の問題点を学習したことを紹介しました。さらに、自民党の新憲法草案は「日本を『戦争をする国』にするためのものであり、絶対反対」と力強く訴えました。
記者は真剣に聞き入り、ペンを走らせ、質疑応答も活発におこなわれました。この記者会見の模様は、翌日および翌々日の朝刊に報道されました。自民党の新憲法草案を批判する「九条の会」の主張を多くの県民に届けることができました。タイムリーな取り組みで大変有意義な記者会見でした