憲法第96条改正を突破口とする第9条改悪に強く反対する
憲法第96条改正を突破口とする
第9条改悪に強く反対する
2013年4月24日
安倍第2次内閣の成立後、与党自由民主党を中心に、国会では日本国憲法の改悪にむけた動きがいまだかつてない速さで進行している。その中で、憲法改正手続を定めた第96条の改正が議論の焦点となっている。その内容は、現憲法では国会が国民に憲法改正を発議する際には衆参の各議院において総議員の「3分の2以上の賛成」を要するとされているのを、「過半数の賛成」で足るものにしようというものである。
しかし、これは憲法学的にも国民の願いからも全く誤った方向に進むものである。
憲法は、国家権力の濫用によって国民の生命・身体・基本的人権が侵害されてきた歴史を踏まえ、その濫用から国民を守るために、国家の最高規範として制定されているものである。憲法改正条項が一時の政治情勢から簡単に憲法改正がされないように厳しい条件を設けているのも、そのような憲法の性格を担保するためである。ゆえに、今日、国家権力を行使する者が権力の行使を容易にするために改憲条件を緩和しようとするのは、憲法が国家権力の濫用から国民を守るために制定されているというその基本的な性格に背くものであり、憲法を破壊に導く行為、改憲の限界を超えるものと言える。
しかも、憲法改正条項の改悪を経由して、現憲法の最も重要な柱の一つである第9条の定める平和主義を改めるというのであれば、それは私たち多くの国民が支持している戦争放棄・平和主義を投げ捨てるものとして到底許されないことである。
私たち「九条の会・石川ネット」は、現憲法の平和主義を定めた第9条を守ろうとの一点で共同行動する県民のネットワークとして発足し、活動を行なって来た。私たちは、今日、国会で議論されている、このような改憲条項である第96条を骨抜きにし、現憲法の要である第9条を改悪しようとする動きに強く抗議するものである。
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