輝け9条! 許すな改憲! 5.3石川県民集会
1700人の参加で大成功!
5・3石川県民集会
憲法記念日の5月3日に、「九条の会・石川ネット」と「輝け9条の会」が「輝け9条! 許すな改憲!5.3石川県民集会」を開催しました。県内各地から1700人の県民が集い、憲法改悪を許さない、そして焦点となっている、改憲のための国民投票法案と子どもたちを再び戦場に送るための教育基本法「改正」に反対する運動を進めていく決意を確かめ合いました。
司会の桜井裕子さんの宣言で集会は始まり、高瀬英美枝さん(「九条の会・七尾」代表)が開会あいさつをおこないました。「北朝鮮や中国が攻めて来たらどうするのだ」と危機感を煽り、「国民保護」の名のもとに改憲を進めつつある政府の動きに警鐘を鳴らしました。
続いて加藤周一さんの講演です。加藤さんは、「生まれは1919年9月19日生まれで9に縁が深いんです」とユーモアたっぷりに語りかけ、「(九条改悪の)道をとことん進んでいけば核兵器と徴兵が待っている」と述べ、憲法九条を守ることを訴えました。次に、上口昌徳さんは、福井空襲で9人もの親類が亡くなった時の悲しみを紹介されました。
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県内の各グループからのアピールコーナーでは、「九条の会・小松」の池田喜久さんが、小松基地への米軍戦闘機訓練の移転を阻止するために小松市長に要請文を手渡したり集会やデモに参加してきたことを報告しました。県教組の高橋利昌さんは、教基法が改悪されれば、教育現場では子どもたちに国を愛することを指導し評価することが強制される、その先にあるのは九条改正と「戦争のできる国」だ、とアピールしました。「北陸ダンプ労働者九条の会」の立野正俊さんは、有事になれば従事命令が出され戦場に駆り出されるのがダンプ労働者、体を張って頑張りたい、と決意を述べました。「石川青年九条の会(9peace)」の西村結さんは、改憲を問うシール投票などのとりくみを紹介しました。
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休憩をはさんで神田香織さんの立体講談「はだしのゲン」です。みごとに再現された原爆投下の地獄絵図に思わず涙された方も多かったのではないでしょうか。神田さんは、講談師として一人立ちした記念のサイパン旅行で戦争を肌で感じたことをきっかけにして、沖縄、長崎、広島を旅する中で漫画「はだしのゲン」と出会ったことも話してくださいました。
山口民雄弁護士が集会アピールを読みあげ全体の拍手で確認されました。最後に呼びかけ人の菅野昭夫弁護士は、発足以来最大の集会となったけれどもこれに満足せずさらに運動を広げましょう、と呼びかけて集会を締めくくりました。
多くのみなさんの協力で集会を成功させることができました。ありがとうございました。会場ですぐに賛同人になって下さった方が30人もいらっしゃったそうです。今後もがんばりましょう。
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集会アピール
日本国憲法公布60年を迎える本年、その核心部分というべき憲法9条を中心として、日本国憲法を改悪しようとする動きが、いよいよ本格化しています。
既に、憲法上の拘束を破って自衛隊の海外派兵が継続され、国内では有事法制が整備される中で、昨年10月下旬には、自民党による「新憲法草案」が公にされ、その直後には自衛隊とのさらなる連携強化を前提とする在日米軍再編の中間報告がなされ、小松基地へも米軍戦闘機の訓練が移転しようとするなど、沖縄だけにとどまら ず、日本全土が米軍基地化する事態に直面しています。
このような中で、憲法を改悪しようというのは、まさしくアメリカ政府に従って、日本を「戦争をする国」に変えようとするものにほかなりません。とりわけ、今国会での審議が確実になっている教育基本法改悪案は、「教育の憲法」というべき教育基本法の根本的な性格を変質させ、子どもたちを「戦争をする国」を担う者にするた めの動きというほかなく、憲法改悪の動きを先取りするものとして、断固その成立を阻止する必要があります。
また、憲法改悪を具体化するための国民投票法案についても、その内容は憲法改悪を容易にしようとする意図に貫かれており、かかる法案を審議・成立させることは、本来冷静かつ慎重になされるべき憲法論議自体を不可能ならしめるものであって、到底許されません。
私たちは、先の戦争の苦い経験や甚大な犠牲の中から、世界に先駆けて、戦争の放棄と戦力の不保持を定めた第9条を含む平和憲法をつくり、世界の人々の平和を願う思いを実現しようと決心しました。このような平和主義の理念は、崇高かつ正当なものとして、現在のみならず将来の日本国民のためにも当然に引き継がれていかなけ ればならず、それが主権者たる私たち国民の責務でもあります。
他方、9・11のテロ以降、ともすれば、正義の実現のためには武力行使も許容されるという力による紛争の解決という考え方が広がりを見せています。しかしながら、力による紛争の解決は、さらなる暴力や憎しみの連鎖を生み出すだけで、決して根本的な事態の解決にはつながりません。あくまで、平和な世界を実現するための 実践的な考え方として、第9条を中心とした平和主義の理念こそ世界に広められるべきであります。
このような情勢の中、県内では、一昨年に発足した「九条の会・石川ネット」を皮切りに、既に50を超える「九条の会」が職場や地域、大学などをエリアとして発足しており、本日の集会は、このようなエネルギーを結集して実現することができました。この集会を契機として、私たちは、改めて憲法改悪をめぐる問題点や危険性について認識を共有し、真に守られるべき平和憲法の理念を明らかにして、国民投票法案、教育基本法「改正」案に断固反対していくとともに、今後も、この国の主権者として、第9条を持つ日本国憲法を自分のものとして獲得し、日々行使していくことで、「改憲」の企てを押しとどめ、平和憲法を守り生かす運動を展開 していく決意を確認し、集会アピールとします。
5・3集会に参加して ~当日のご感想等~
九条を世界に (七尾 湊)
改憲派の言い分は「現実が憲法に合わなくなったから」だと言う。一体現実を憲法に合わなくしたのは誰なのか? 憲法を現実に合わすのでなく、現実を憲法に合わすのが本筋なのに改憲を叫んで憚らない。ヌスット猛々しいとはこのことであろう。
国際貢献でも血を流さないと出来ないのだと国民を脅す。九条を世界に広め戦争を根絶することこそ日本国民の悲願であり、唯一最高の国際貢献だろう。九条を改悪して、名実共にアメリカの世界戦略に組み込まれ、アメリカに追従して血を流す、これが九条改悪の本願だろう。九条こそ日本の誇り、宝なのだ。
改悪を市民グループの連帯で粉砕しよう。
県民の集いに参加して (はくい民医連9条の会 稲元郁代)
本当にたくさんの方々の参加する集会となり、ただただ感動しました。
あの県民集会で芽吹いた「9条守れ!の大運動」を大切に育て、必ずや「花咲かせなくては」と強く思いました。今後は県内のあちらこちらで、数百人単位でのミニ集会が多彩に繰り広げられることを期待します。
ここ羽咋でもやっと「毎月9日」の宣伝行動が定着しつつあります。民医連職員と友の会で担当制にして順繰りに、ショッピングセンターや商店街で署名を訴える取組みを年間通してすすめます。秋にはすこしガンバッテ「9条を守る講演会」を数百人規模で企画し、より多くの方々に「9条の魅力」を感じていただき運動の輪を広げたいと、更なる夢を膨らませています。
決意あらたに (憲法九条を広める会)
集会は盛況で何よりでした。神田さんの「はだしのゲン」はすばらしく、原爆の恐ろしさを身に染みて感じました。小松基地への米軍機訓練移転反対の訴えもなされ、いい集会になったのではないでしょうか。
私たち憲法九条を広める会も、ブースを出しましたが、「共謀罪」の危険性を暴く『超監視社会と自由-共謀罪・顔認証システム・住基ネットを問う』(800円)の売れ行きが好調でした。
7月中旬に定例の広める会の「集い」を計画しています。日程が決まり次第お知らせしますので、どうぞご参加ください。
「県民の集い」を力に、毎月行動を計画 (浅野・明成9条の会 藤牧 渡)
「たくさんの人やったねー。」「神田さんの講談は感動したわ。」「加藤さんの話がちょっと聞き取りにくかった。」 帰りの車の中での参加した人の感想です。時間の経過を感じさせないほど、集中できた集会でした。
浅野・明成9条の会では、毎月何らかの行動を起こそうということで、6月20日「戦争体験を聞く会」、7月18日には石川ネット呼びかけ人のお一人である元兼六園事務所長の「下郷さんのお話を聞く会」を予定しています。また署名をもって地域訪問し、多くの人と話し合っていこうと計画しています。
県民の集いに参加しての感想とこれからの私たちの取組 (石川勤労者医療協会本部事務局九条の会 寺越博之)
改憲勢力を九条を守るという1点での共同で包囲することが求められている。「どうなるのだろうか」という一抹の不安があったが、続々と入場されてくる参加者の顔ぶれと表情をみて、なによりの激励と希望を感じたのは私だけではないだろう。
加藤さんの講演で印象に残った言葉は「治安維持法が成立した時は大正デモクラシーの盛んな時であり、まだ戦争への動きなどがない比較的平和な時であった。その時作られた治安維持法は10年後に威力を発揮した。」ということであった。その意図は、「現状をどう見るか」ということにあるのではないかと思う。「いきなり戦争というのはやってくるのではないのだ。気がついたら抜き差しならぬ状態にかってはあった」のだということではなかろうか。加藤さんは「現在は戦時下である」と感じておられるかもしれない。
上口さんはいとこの言葉を紹介しました。そのなかに「死んでも戦争反対を言い続けるから」という壮絶な言葉がありました。その方の思いとそれを紹介された上口さんの思いが深く伝わったのはこれも私だけではないだろう。
6月10日の全国九条の会交流会に参加をして、そこでの学び、その学びを職場・地域に生かしていこうと今決意しています。
草の根の活動がはじまった石川の九条運動 (元金沢大学教員 飯田克平)
「輝け九条」の会場は、1500名の参加者で満ち溢れました。発足以来3回の集会をへて、草の根からの九条の活動が始まった結果だと思いました。はじめて周りで活動があるのを感じました。ようやく「準備段階」を終えて、九条を大事に思 う方々の活動が広がり、私たちは本当の出発点に立ちました。
上口さんは、赤く染まった福井の空の下で、大阪から疎開の親族が一遍になくなったこと、それを山中温泉から見ていたことを語りました。憲法を語る上口さんの言葉の根底に、悲惨な戦争体験があることを知りました。
憲法を考えてこなかった人々と、戦争、平和、憲法を語り合うことがこれからの課題だと思います。ほとんどの日本の家族は厳しい戦争体験を持っています。それを振り返り、語ることが、戦争を知るもの大きな課題だと思います。
改憲の先に核兵器と徴兵制が待っている (古田励子)
「小さければ小さいなりに九条を守る気持ちをしっかり持っていけば、それが大きい力になるのです。皆さんと手をつないで、この九条を守っていきましょう」。高瀬さんの一生懸命な気持ちのでている開会挨拶に、私は涙が出そうになるほど誇らしく嬉しかった。会場からも割れるような拍手があった。
加藤さんの講演では、改憲の先に核兵器と徴兵制が待っているという点に身震いを覚えた。石川ネットの準備会で、加藤周一さんを強く要請した人たちの一人であった私は、解りやすいお話しに満足した。
元自民党県会議員の上口昌徳さんのお話は、少数派が常に次代を切り開いていくということや、県議だったとき、改憲など思いもよらなかったこと、身内が福井空襲で数人亡くなったむごさの体験から九条が大切なことを話された。講談師の神田香織さんの「はだしのゲン」では、ご自身の経験から憲法二十四条が大切なことを話された。暴力亭主をどうして愛せるか。愛は押しつけられて生じるものではない。愛国心も強要されたからと言って生じるものではない。ということを前置きにして、素晴らしい表現力で「はだしのゲン」を語られた。九十分が短く感じられた好演技であった。
ロビーでは湊孝次郎先生(九条の会・七尾)の著書「ちょっと待って 平和を求めて」が販売された。八冊売れた。横井さんが知った人を見かけると「この本、私たちの仲間の先生が書かれてん。買ってね」と熱心に語りかけていた。充実した一日であった。
屈託のない笑顔を守りたい (石崎陽子)
5月3日の集会の時、わたしは保育の受付を担当していました。開演1時間前から、厚生年金会館には、老若男女を問わずぞくぞくと参加者が集まってきました。「9条を守り抜こう!」という主催者の呼びかけが、県下を越えて届いていることを確信できたときでした。
おあずかりしたお子さんを、保育室に連れて行く度に、保育室では子供たちの楽しい喜びの叫びがあがっていました。そこでわたしが強く感じたことは、今、わたしたちは9条を守る立場で戦っていますが、9条が改悪されてしまうならば、その時には、わたしたちは、子供たちを再び戦場に立たせることになります。子供たちの笑顔を見ながら、9条の改悪は決して許してはならないと強く感じました。この子供たちの屈託のない笑顔を守る責任は、まさに大人であるわたしたちにあるのです。
教育現場から思うこと (高橋利昌)
教育現場では、かつて名簿は男女別で、しかも「男が上」でなければなりませんでした。「区別のためだ」と言いながら、女が上に配置された名簿は決して認められませんでした。
舞台にあがる時は、壁に向かって深々とおじぎをする人がいます。日の丸がなくともそうするのです。何に対しておじぎをしているのでしょう。そこに何が見えるのでしょう。
そして、学校の中で「現在の教育基本法」を語ることにも圧力がかかりました。
現在の日本の為政者たちは、本当に「人を殺める」ことを望んでいるのでしょうか。「国を守るためなら仕方がない」と子どもたちに教えろと言うのでしょうか。自分にはできないことです。
平和な世界で、子どもたちと共に学び合うことができることを、今、強く望んでいます。そして、9条を子どもたちの未来のために守りぬきたいです。
5.3集会の会場で賛同人が30人増 (実行委員 T.M)
会場ホールの入り口に、賛同人募集の呼びかけコーナーを設置し、「まだ賛同人になっておられない方はこの機会にぜひ賛同人になってくださーい」と訴えました。
「誰でもなれるんですかー」などの質問をされながら、その場で申し込み用紙に記入された方が30人にもなりました。
講演終了後でしたが、中年のご夫妻が呼びかけコーナーに来られ、演目に感動された面持ちで、「このような会(石川ネット)があるとは全く知らなかった、自分たちの友人・知人に是非とも広げたいので申込み資料をもらえないか」とのこと。最初数組お渡ししたのですが、「もっともっと」とおっしゃって、20組ほど持ち帰られたのには感激でした。
他にも、「いま急いでいるので」と申し込み用紙と資料を持ち帰った方々も数多く、賛同人のひろがりの可能性を実感しました。