輝け9条!平和憲法公布62年記念石川県民集会
輝け9条!
平和憲法公布62年記念石川県民集会
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「9条の会・石川ネット」が主催し、県内の多くの「九条の会」が賛同して、11月3日に教育会館大ホールで「輝け9条!平和憲法公布62年記念石川県集会」が開かれました。約250名の方々が参加されました。
まず、呼びかけ人の1人である菅野昭夫弁護士が開会のあいさつをし、「アメリカ大統領選はオバマ候補が当選するだろうが、一定の変化や期待がもたれているものの、外交政策はブッシュと変わることはない。日本との関係では、憲法9条を変えろという圧力は続く。したがって、これまでどおり、改憲阻止の闘いを継続させなければならない。」と発言されました。
次いで、今年4月に名古屋高等裁判所がイラクでの航空自衛隊の活動を違憲と判断した事件で、原告弁護団団長の内河恵一弁護士が、「イラク派兵違憲判決と恒久法」と題して講演をされました。内河弁護士は、裁判の訴状を「ですます調」で書き、若者にも分かりやすいものにするよう工夫したことや原告らの訴えに耳を傾けない裁判官に訴えるために裁判所の前で毎日、朝と夕方の二回にわたって宣伝行動をおこなったことを紹介してくれました。「政府は『国際貢献』『人道支援』などの『まやかしの論理』で自衛隊の海外派兵をおこない、戦争のできやすい国にしています。今後の政府の動向をしっかり監視していく必要があります」と訴えました。
その後、各地の「九条の会」からの報告がありました。能美9条の会の渡邊博之医師は、映像を使って若い職員たちが平和の歌のライブ演奏をおこなってきたことを紹介をし、三年間の活動を通じて、若者たちとお年寄りのパワーはすばらしいと感じたと話されました。渡邊さんの二人のお子さんも平和の大切さをアピールしたました。「九条の会・七尾」の吉田励子さんからは、これまでの活動が紹介され、麻生首相が「集団的自衛権の行使は憲法解釈で可能」などと公言し、憲法九条を足蹴にしていることは許せないとの思いでこれからもがんばりたいと話されました。「つばた九条の会」の堀井洋さんからは、会を立ち上げるために、知人はもちろん近所の家を一軒一軒訪ねる地道な活動を精力的におこなったことを通じて、多くの方が参加してくれたと報告されました。
集会では引き続き、集会宣言を採択し、最後に、呼びかけ人の1人で医師の白崎良明さんが閉会のあいさつをおこないました。「国際的にはクラスター爆弾禁止運動など市民の運動の中から平和な情勢が作り出されつつあります。私たちも憲法九条を守るという運動をそれぞれのところで一人一人が広めていくこう」と呼びかけられました。
多くのアンケートが寄せられ、「大変によかった」「よかった」といった感想がほとんでした。内河弁護士のお話は、とても分かりやすかった、との感想が多く、さらに、「憲法9条の大切さを改めて痛切に感じました。裁判とは、天上のことではなく、自分たち身近なことであると感じた。」「政治的問題には黙ってしまった裁判官が、まだまだ死んでいないと言う話を聞いて、裁判官頑張れと言いたい。」「私も、小松基地爆音訴訟のたたかいにかかわっている者の一人でとして、自衛隊違憲、戦闘機の飛行差止を求め、権力の厚い壁に穴をあける闘争に、勇気と展望を持てたような気がしました。」などの感想も寄せられました。
各地の「九条の会」からの報告の感想として、「ぜひ、どれを切っても同じアメにならない創意工夫のある取り組みを一緒に考えていければよいと思います。」「それぞれの地域で地道な活動が続けられていることを知りました。このこととがまた、活動を続けている人たちの力になると思います。」「誰でもできる行動の提起も必要かと思いました。例えば、年賀状に貼る9条シールや、パソコンの共通フォーマットなども、各地の会で考えてもよいかと思いました」。
そのほか、「会場のみんなで歌声を交わす場面があるといい。」「賛同人を1万人~2万人と広げるべきです。」などのご意見もありました。
参加者のみなさん、アンケートに回答をしていただいたみなさん、ありがとうございました。
集会の様子が下記新聞に掲載されました。
集会アピール
本日、私たちは、日本国憲法公布62周年の記念日を迎えました。日本国憲法は、多大な惨禍をもたらした侵略戦争と、戦前の専制政治への深い反省のもとに制定されました。中でも、憲法9条は武力では何も解決しないとの痛切な認識にもとづき、戦争放棄・戦力不保持を宣言した人類の英知の結晶です。
これに対し自民党は、結党以来の党是として改憲を掲げ、9条の解釈改憲を重ね、特に小泉-安倍政権下では新憲法草案の公表、改憲手続法の制定などを強行し、私たちは明文改憲の危機に直面しました。こうした中でおこなわれた昨年の参議院選挙でしたが、国民は安倍政権の改憲路線に明確なNoを突きつけ、改憲派のシナリオを砕きました。しかし、その後の福田政権でも新テロ特措法を衆議院再可決で制定し、麻生政権は今国会でその延長を狙い、憲法の空洞化をさらに推し進めようとしています。小泉政権以降、自公政権の政策に一貫するのは、米・ブッシュ政権追随、米軍再編・日米軍事一体化の推進、イラク・アフガン侵略戦争への参戦です。さる9月25日の米原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀入港・母港化は、米軍の先制攻撃戦略の拠点として、日本の役割をさらに強化するものです。
露骨な改憲へ企てが強まる中、本年4月17日、名古屋高等裁判所は、イラクにおける航空自衛隊の活動は憲法9条1項が禁止する「武力の行使」にあたり違憲であるとの判決を下しました。憲法の存在を無視してくり広げられた侵略戦争への加担行為を明確に断罪した、画期的判決です。米国で予想される政権交代によるイラク政策の転換、多くの国民の派兵批判、そして今回の違憲判決が決定打となって、私たちはイラクからの航空自衛隊撤退へと政府を追い込むことができました。
本日の集会で、私たちはイラク派兵違憲判決の意義と成果についてより深く学ぶことができました。イラク撤退表明の獲得で立ち止まることなく、この判決をさらに生かし、新テロ特措法の延長を許さず、派兵恒久法の制定も阻止する運動へとつなげていかなければなりません。判決はまた、平和的生存権を憲法上の法的な権利と認め、私たちが戦争被害を拒否できるだけでなく加害の強制も拒否できることを明らかにしました。まさに侵略戦争の反省から制定された日本国憲法の精神を踏まえたものであり、日本国憲法を擁護し、戦争に反対する私たちの取り組みを力強く後押しするものです。
2004年12月にスタートした九条の会・石川ネットは、呼びかけ人、賛同人合わせて780人余に達しました。全国で結成された九条の会は7,000を超え、県内でも80以上の団体が活発に活動し、さらに新しい九条が発足していることも本日報告されました。今春には初めて「9条世界会議」が開催されるなど、いまや9条が世界から求められる時代を迎えました。9条の理念を地域で、そして世界で実現するために、さらに大きく運動の輪を広げていくことをここに確認し合い、集会アピールとします。
2008年11月3日
日時 | 2008年11月3日(月・祝) 午後1時30分から |
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会場 | 石川県教育会館3階大ホール (金沢市香林坊1-2-40) (電話:076-222-1241) |
内容 |
※手話通訳があります。 |
参加費 | なし (カンパはお願いします) |